人気ブログランキング | 話題のタグを見る

土地探しの終着へ

土地の売買代金、契約書に貼付する印紙代、登記費用、仲介手数料などの金額がファクスで送られてきた。
売買代金の大半は自己宛小切手(預金小切手、預手(よて))、残りは現金、その他の諸費用はすべて現金で支払うようにと書いてある。支払う相手がそれぞれ違うのでそれぞれ封筒を用意し、契約日までにぴったりの現金を用意しなければならない。そのためにあちこちの銀行に分散して預けてある定期預金のうち、利息の低いものや満期の近いのを優先して解約し、預手を作る八十二銀行に送金したり、現金として降ろしたり、買い物に行っては小銭を作ったりという地道な作業をしばらくの間、やっていた。

契約の前日には預手を作りに八十二銀行に行った。預手というのは、依頼者が現金または預金残高を引き換えに銀行が降り出す小切手のことだ。契約日が土曜日なのでその前日までに済ませておかないとならなかった。
初めてのことなので緊張しながら銀行に向かった。それに金額が大きいので、普段なら自転車か徒歩で行く距離にあるこの銀行まで車で出かけた。
窓口で通帳を差し出し、預金小切手の作成を横線(おうせん)入りで依頼した。横線の入った預手を受け取った人は自分の取引銀行を通してしか受け取ることができず、もし不正に第三者が手に入れて換金しようとしても、誰が引き出したかが発覚しやすいため、より安全だ。
銀行で通帳を差し出し、20分程待っていると、ようやく名前を呼ばれた。銀行口座から指定額が引かれ、それが預金小切手という紙切れとなった。
たかが紙切れだが、落としたり盗まれたりしたら大変だ。
引ったくり対策としてダミーのかばんを持っていった。預金小切手は内ポケットに入れ、かばんには何も入れない。もし、引ったくりがかばんを盗っていったとしても、肝心なものはこの胸にしまってあるという作戦だ。
そして、銀行を出て怪しい人物が付いてこないことを確認してから車に乗り込み、普段はかけないドアロックをし、何事もなく、家まで戻ってきた。

by nekoana1996 | 2008-03-29 21:15 | 土地探し  

<< ハレの日 折り合い付く >>